「真の勇者」ウルトラマンコスモス館2

「真の勇者創作ストーリー館」

☆ご注意☆この文章に登場する氏名は、実在するウルトラマンコスモス作品中の
登場人物とは、当然、まったく、全然、関係がございません。ご了承ください。


「美形ヒーロー対策本部誕生」  文/SADAO7

世は空前のヒーローブーム・・。そしてそれに異を唱える宇宙怪獣軍団がいた。
怪獣軍団美形ヒーロー対策本部総司令(以下指令)
「このままでは世界はバランスを失ってしまう・・・。
なんとしても美形ヒーローを減らさなければ・・・」(←何故!?)
そして厳密な会議の結果、数体の宇宙怪人を地球に送り込む事となったのだった。
まず最初に第一部隊が地球に降り立ち、
ウルトラマンコスモス(ムサシ隊員)を攻撃し、
他のヒーロー達の動きを監視しつつ他の部隊を誘導する。
人員がそろい次第他のヒーローを攻撃。
最後に宇宙戦艦を地球に接近させ
「CG破壊光線」で各プロダクションのコンピューターグラフィックスを使えなくする・・・
という恐ろしい作戦であった。(この作戦が実行されれば特撮業界は大打撃であろう。)
そしてなんと第一部隊には自分・・SADA07(以下07)が選ばれてしまったのだった・・。
固体液体気体に変化する特異体質と変身能力を買われての事だった。
指令「この任務は宇宙政府で正式に承認されているものだ。失敗はゆるされんぞ。」
07 「はっ」 
対策本部一同「地球に真の平和と安らぎを!!!」
07「第一部隊って・・・一人じゃん!!」
と、気づいた時にはもう、地球へ通ずるワープゾーンに放り込まれていたのだった・・。



「ヒーローショー前日」

地球に降り立った自分は
とりあえず自分のいる位置を確認しようとあたりを見渡した。
どうやら公園のような場所に降り立ったようである。暗い・・人の姿は見当たらなかった。
07「どこかに身をかくさなければ。」
その時急に後ろの方から人の気配がした。ふりむくと一人の女性が立っていた。
年は30代後半といったところか・・。
女性「私、あんた達のやろうとしてる事全部知ってるよ。」 07「何っ!?」
女性「あんた達の思い通りにはさせないから!」 そういうと女性は去っていった。
07「まさか・・情報が漏れていたのか!!」 すぐに本部に連絡しなければ!
と思ったが本部との通信は向こうが発信した時しか使えないので、
明日の午後までは通信できない状態だった。
その女性を追いかけようかとも思ったが、
地球に来たばかりで疲れていた。
それに明日はウルトラマンコスモスのヒーローショーで闘わなくてはいけない。
作戦の邪魔をする者がいるならなおさら、エネルギーを温存しておかなければ・・・。
07「成功するかなー。」
期待と不安に胸を躍らせながら、近くの林の中に身を隠し、眠りについたのだった。


「攻撃」

今日はヒーローショー当日!
ウルトラ隊員達が来ることもあって、
各地から大勢の人がつめかけ、会場は熱気につつまれている。
俳優や会場スタッフ、スーツアクター等関係者の皆さんが
本番前最後の打ち合わせをしていた。
皆真剣そのものといった感じだ。そしてスタッフの一人があることに気づく。
スタッフA「あれっ?怪獣の着ぐるみ、一つ多くないか?」
スタッフB「おかしいな・・・昨日までなかったのに。」
しかしもう本番直前である。
ショーの内容が変更されていない限り、今この着ぐるみを気にしている暇などない。
スタッフB「ショーが終わってから問い合わせるから、そこに置いといて。」
こうしてこの着ぐるみの存在はしばらく忘れられたのだった。


コスモスの主題歌Spiritに合わせてムサシ隊員
フブキ隊員、アヤノ隊員が登場!
会場内が一気に盛り上がった!!!(ママさん達はカメラをかまえる。)
ムサシ隊員「わーすごい人だー!!!皆さんこんにちはーーー ー!!!!」
お客さん一同「こんにちはーー!!!」
そして司会者と三人のトークが始まったのだった。


会場の中にカメラをまわしばがらも会場内にただならぬ妖気を感じている女性がいた。
この女性何をかくそう、昨日07の前に現れた女性である。
女性「やっぱりやつがここにいる!
最悪の事態が起こる前にあたしがなんとかしなければ!!」
女性は子供を友人に預けて走り出した。
女性「カメラもお願いねっ!!」
友人「OK」 デジカメの事も絶対忘れないのであった(笑)
トークは司会者と三人のウルトラ隊員で楽しく進行していた。
そして司会者がふと話しを変える。
司会者「そういえば、カオスヘッダー反応のほうは大丈夫なんですか?」
ムサシ隊員「大丈夫ですよ・・・・ん?この雰囲気は!?」
緊張感のある音楽が鳴り会場の雰囲気が変わる。
そろそろ怪獣の出番である。
スーツアクターの方々はそれぞれ怪獣の着ぐるみに着替えてスタンバイしている。
今回はリドリアスとモグルドンが悪のウィルス、
カオスヘッダーによって暴走させられる というストーリーであった。
中に入っているスーツアクターの方たちはスタンバイしながらも、
楽屋に置いてきたあの着ぐるみの事が気になっていた。
スーツアクターA「あの着ぐるみなんだったんだろう・・・・。
あんな怪獣見たことないし・・。」
その時!!後ろで悲鳴が聞こえた!!
「ぎゃああああああああああ」
振り返るとウルトラマンコスモス(もちろん着ぐるみ)が倒れているではないか・・・。
スーツアクターA「おい!どうした?」
よく見るとスタッフも数人倒れている。何がおこったのだろうか?
そう思った瞬間・・・・ドンッ!!と背中に強い衝撃が走る。
着ぐるみごと体が投げ飛ばされる。
スーツアクターA「一体何が・・・!?」
振り返るとそこには、誰も中に入っていないはずの着ぐるみが
たっているではないか・・!!!
スーツアクターA「そんな・・・なんで?」
その着ぐるみは雄たけびをあげながら舞台へとつっこんでいった。
そう!その着ぐるみこそ実は本物の宇宙怪獣SADA07そのものであった!!
司会者「あれはリドリアス!!・・・・じゃないっ!?」
現れた怪獣はなんとも凶悪な姿であった・・・。
しかしカオスヘッダーとも違う・・・。ムサシ隊員「この怪獣は!?」
三本の角に巨大な触手(尻尾)、全身は赤黒く手足や顔のようなものがある。
フブキ隊員「新しい怪獣だなっ!」アヤノ隊員「そっかー!!」
最初は困惑したウルトラ隊員だったが、すぐに持ち直した(プロですね!)
07「フフフいつまで正気がたもてるかな?」
そう言うと同時にその怪獣の体の節々が開き、体内から煙が放出された!!
ブシュウウウウ・・・ステージに煙が充満する。
ムサシ隊員「なんだこの煙は・・。」アヤノ隊員「これって舞台装置?」
フブキ隊員「やりすぎだー!!」
そして客席からはステージがまったく見えなくなってしまった。

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(「攻撃」の続き)
煙の中でウルトラ隊員と司会者は何がなんだかわからずに立ちすくむ。
不思議と息は苦しくなかったが、煙は濃く周りはまったく見えない。
ムサシ隊員「おーーい二人ともー!!聞こえるかー?」
フブキ隊員「聞こえるぞー!近くにいるはずなのに何も見えん!」
アヤノ隊員「なんなのこれー!?」
司会者「とりあえず煙の外にでましょう。この煙の量は異常です。
ドライアイスじゃないみたいだし。」
07「その必要はない。」
怪獣のいたあたりから声が聞こえる。
07「ムサシ隊員!ここがお前の墓場だっっっっ!!!」
ズシンズシン大きな足音が近づいてくる!!!
07「どおりゃあああああああああ!」
大きな手が煙の中から飛び出してきた。
がしっ!!!その手がむなぐらをつかむ!!
07「ムサシ隊員覚悟っ!!!!」
フブキ隊員「俺はフブキだっ!!」
07「おわっ!!!間違えたーー!!」
情報不足で間違えてしまった。(フブキさんも美形だしぃ)
今の07の高速移動で風がおこり四人の視界が少し開けた
07「ということはお前だなっ!」
フブキ隊員から手を離した07は
ムサシ隊員に向かって拳を突き出した・・・
が、あっさりよけられてしまった!!
どうやらまだ地球の重力に体が適応していないようである。
07「おのれ・・・。」
07は大きく目を見開き目から光線を放とうとする!!
この光線は人間のパワーを吸い取ってしまうのだ。
と、その時だった!!07の張った煙幕が吹きとばされた!
07「何っ!?」 女性の声「そこまでよっ!!!」
07の視線の先に、何者かが立っていた。

「出現!スーパー戦士」

07の視線の先に立っていたのは・・・
ピンク色の全身タイツの様な服に身を包んだ(たぶん)女性だった。
頭にはヘルメットの様なものをかぶり、腰にはベルトとぶきの様なものがついている。
戦隊ものに登場するヒーロー(ヒロイン)そのものであった。
07「スーパー戦士か・・・。」
戦士「皆このショーを楽しみに来ているのに、邪魔するなんて許せない!!」
07「うるさいっ!!これも世界のためだ!!」
07は再びムサシ隊員の方へ向き直るそして光線を放つため力をこめる!!
戦士「逃げてっ!!太陽君!!!」
そう言い放つと戦士は腰の銃で07を撃つ!
バシュバシュバシュッ!!!
07「うがっ!!」 07の体に火花が散る! 07「イタタッ!」
07も負けずに触手を戦士の方へ振った!
この触手はコンクリートをも砕く力を持っているのだ! ドムッ!!
戦士の足に触手が当たった!鈍い音がした。 戦士「うっ・・」
戦士は激痛に耐えながらも持っていた銃を短剣のような形に変形させた。
そこからピンク色の光が放出される。それで思いきり触手を切りつけた!!
07「ぎゃあっ」 ピンク色の光は刃となって触手を切り裂いた!
ドサッと音を立てて切られた触手がステージの床に落ち、切り口から液体が流れ出す。
不思議なことにその液体は流れ出したとたんに蒸発していく。
07「くそっ・・・覚えとけっ!!」
07の胸部にうめこまれた宝石のようなものが激しく光った!
あまりのまぶしさに、そこにいる人間全てが目を閉じた。
そして人々が目をあけた時、そこに怪獣の姿はなかった。
形勢不利と感じた07は逃げる事にしたのである。
07は切断された触手をかかえて空を飛んでいた。
07「くそー!作戦失敗じゃん・・・・。」
そうつぶやいていると、カラスの大群が急に真下の公園の林から飛び立った。
07「うわっ!!」 それに驚いた07は持っていた触手を落としてしまった。
触手は林の中に落ちていった・・・。
しまった・・・早く追いかけなければ・・。
そう思ったが、そろそろ指令本部から通信が入る時間である。
この時間を逃すと二日間は指令本部と連絡がとれなくなる、
なのでそちらを優先する事にした。



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「本部との通信」

07は近くのビルの屋上で羽を休める事にした。そこで通信機を組み立てる。
それから少しして本部から通信が入った。 通信機に指令の姿が映る。
指令「計画通り作戦は進んでいるか?」
07「・・・・申し訳ございません。それが・・・・。」 指令「何っ!?」
07「予想外の邪魔が入りまして・・・・。」 指令「邪魔だと?」
07「私にもよくわからないのですが。どうやら我々のターゲットを守る存在がいるようです。」
指令「そうか。だが我々が正義である事を忘れるな。
邪魔する者はどんな手段を用いても叩き潰すのだ!!!」 07「はい・・・。」
指令「すでに他の部隊は準備を整えつつある。
なんとしても作戦を成功させよ。」 07「はっ!!」
こうして今日の通信は終わった。
07「次は必ず・・・勝つ!!」 先の戦いでダメージを受けているとはいえ
体は徐々に地球の環境に適応しつつある。
体が回復すれば今回のように失敗する事もないだろう。
まずは切れた触手(尻尾)を探さなければ。
07は羽を広げると再び空に飛び立った。


「出会い」

07は先ほど尻尾を落とした辺りを必死に探していた。しかしなかなか見つからない。
07「どこだー!」 林の中をかけめぐる。茂みの中を探る。がみつからない。
尻尾の切り口から体内のエネルギーは放出され続けている・・・。
このままでは、やばい。
07「おかしいな・・。近くにあれば反応でわかるはずなのに・・・。」
いくら探しても尻尾は見つからなかった・・・・。
そのころウルトラ隊員役の杉浦太陽《注:仮名》さん達三人は円谷プロの事務所にいた。
(勝手に書いてごめんなさい!ファンなので許してくださいっ)
たぶん円谷プロの所有物であると思われる物体をみつけたので届けに来たのである。
杉浦さん「あのーこれ拾ったんですけど。」 鈴木さん「会場の近くの公園にありました。」
市瀬さん「木にひかかってて、これ着ぐるみの一部じゃないですか、ね。」
事務所の人「う〜ん・・?そんな話聞いてないけどなぁ。まあ一応調べてみよう。」
そうして倉庫等を調べたが、最近外に出した着ぐるみで、
体の一部がなくなっている物など一体も見当たらなかった。
事務所の人「違うみたいだね。」 鈴木さん「違ったんだ。」
杉浦さん「・・・・それにしてもよくできてるよなぁ。」
この物体は実は07の尻尾だったのだが、誰もそれに気づかなかった。
というのも、07が会場を立ち去る時に放ったあの光には、
人間の記憶の一部を消す作用があったからである。
(でもカメラには写ってたんじゃないの?と疑問の思う方もいるかもしれないが、
そこの所も抜かりなく、事前に会場に妨害電波をはりめぐらしておいたため、
会場内のカメラや携帯には何も写っていないはずである。)
市瀬さん「どうしよっか、これ・・・。」 鈴木さん「捨てるとしたら燃えないごみ?」
杉浦さん「えっ!?捨てんの?落とした人困ってるんじゃ・・・。」
鈴木さん「落とした人って・・・木の上にあったのに?その人どこから落としたの?」
市瀬さん「そうだよなあ。よく考えてみると、なんであんなとこにあったのかな。
それを持ってきた俺たちも俺たちだけど・笑」
杉浦さん「戻してこようか。」 鈴木さん「そうする?でもあたしこの後の仕事あるんだ。」
市瀬さん「俺家の方向全然違うし。」
杉浦さん「じゃあ俺家あそこから近いから、帰りに戻しとくよ。」
(このお話は超フィクションです。勝手に書いてます。
三人のお宅がどこかなんて知りませーん。)
こうしてその日三人は別れた。

「出会い」続き

日が落ちて薄暗くなった公園で、その宇宙怪獣は途方にくれていた。
07「どうしよう。あれがないとこの体を維持できない・・・。」
胸の宝石が点滅し始めた。(←!?)危険信号である。
そのとき後ろから声がした。 「すいませーん。」
振り返ると青年がっ立っていた。垢抜けた感じの爽やかな青年だった。
髪はサラサラで茶色っぽく、ファッションはストリート系である。
07「?何か・・・・。」
聞き返してからはっとした。そういえば怪獣の姿のままだった。
公園でこんな姿をしているのはどう考えても異常・・・。
青年「これ、あなたのじゃないですか?」
と青年がなにか入っている紙袋を手渡してくれた。
中身は・・・まぎれもなく自分が今まで探していた尻尾だった。
07「これ・・・。」
青年「すいません。さっき木に引っかかっているのをみつけて、
それで円谷プロのじゃないかと思って、持っていったら違ったみたいで。」
「円谷プロ」という言葉に07は少しギクッとしたが、悟られないようにして言った。
07「わざわざありがとう・・。円谷プロの関係者ですか?」
青年「・・・・(爆)そうです、かなり関係者です。」
07はその笑いの意味がわからなかった。
その青年こそムサシ隊員役の杉浦太陽さん《しつこいようですが仮名》だったのだが・・・。
私服でイメージが変わったことと、
ショーでも煙を張っていたため顔がよく見えていなかったのである。
杉浦さん「その格好、ヒーローショーか何かですか?」
07「うっっ!!(汗)なんというか・・・。」
杉浦さん「どの番組ですかー?もしかして撮影?」
07「ええと・・・・うーんと。」
どう見ても特撮に出てくる怪獣なので杉浦さんは興味を持って聞いた。
(着ぐるみの中からなのに声が良く聞こえるな)とも思った。
07「超ローカルなんで言ってもわからないかと・・・。」
杉浦さん「ローカル?どこの事務所ですか?」
07「うっ!!!!!」 当然と言えば当然な質問だが07にはイタかった・・。
07「えっと・・実は大学のサークルの自主制作映画で名前は決まってません。」
07は思いつくまま口から出まかせを言った。
杉浦さん「へえーそうなんですか。どこの・・・」
い・・・いけない!これ以上人間に興味を持たれては!
07は礼を言って無理やり話を終わらせて走り去っていった。
07「あぶなかったー!!でもあんな親切な人が円谷プロにいるなんて・・。
本部では邪悪な集団と聞いていたのに。」
近くに人目のない廃屋を見つけた07はそこで休む事にした。
手で尻尾の切り口と切り口をつなげると、そこにパワーを送る。
するとみるみるうちに傷が消えていった。
廃屋の窓から夜空を見上げると満月がでていた。
07「次は必ず成功させてみせる・・・。」
そしてしばらくすると深い眠りについた。




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「使命」

朝が来た・・・。今日も晴れていて、すごく暑い。
暑くてなんとなくやる気がわかない07は、今日は情報収集に専念する事にした。
都内某所では今日もヒーローショーが行われる予定だ。
07「今日はヒーローショーを偵察した後、街に出てコスモスの情報を集めよう。」
07はおおまかな計画を立てると、廃屋の窓から羽を広げて飛び立った。
本部から与えられた資料は、ヒーローショーの日時と場所のみが詳しく説明されており、
ウルトラマンコスモスの内容やCAST等は、あまり説明されていなかった。
コスモスやムサシの姿が、ターゲットの図として掲載されてはいたものの、
それは誰かが手描きで描いた落書きのようなもので、何がなんだかよくわからなかった。
実際07が昨日ふっとばした着ぐるみも、
邪魔だったからどかしただけで、どれがコスモスかすらわかっていなかったのだ。
07は会場に近づくと、人気の無い路地裏に降り立った。
するといきなり腹に力をこめる。
07「ふんっ!!」 バキッ!
骨が鳴るかの様な音と同時に、なんと07の体が二つに分かれた!
分かれたといっても真っ二つに割れたわけではな
体の背中から頭にかけての部分のパーツが本体から分離したのである。
角の生えている頭の上部から後頭部(兜のようになっている)、
そして背中の甲羅とそこにしまえるコウモリのような羽、そして尻尾、
これらがつながったものと、本体が合体して、
普段の怪獣の姿になっているのである。(ややこしいな・・・。)
そして、本体から分離したそのパーツは、07の意志でそれ自体生き物のように動くのである。
07「ふう・・・少し涼しくなった。後は・・・。」
07は目を閉じた。するとその体(本体)はみるみるうちに色あせていき、
赤黒かったのが紫になり、半透明のうすい水色に変わっていった。
そして体の骨格がわかりにくくなったかと思うと、
どろっっとゲル状の物質に変化した。
そのゲル状のかたまりは、動きはじめた。
見えない手が粘土で形を作るかのように、その形が変わる。
ぼこぼこっと音をたてて、へこんだりふくらんだり、ちじんだりひろがったり。
そしてそれがだんだんとはっきりした輪郭を持ち始め、色がまた紫色に戻り始めた。
再び頭や手足が形作られていく。
それから数十分たった後、完成したそれは、まぎれもない人間の姿をしていた・・・・。

「2003.10.02更新」

「使命続き」

都内某所、今日もヒーローショーはたくさんの人でにぎわっていた。
人間に変身した07は、先ほど分離させた羽のある方の体のパーツを路地裏に隠し、自分は会場へと向かった。
その途中でふと、視界に入ったものがあった。
帽子を深くかぶった女性が杖をついて、足をひきずりながら会場へと向かっている。
引きずっている方の足にはギブスがつけてあった。
(あんなにしてまでヒーローショーが見たいなんて・・・やはり人間は理解できない!!)07はそう思った。
それと同時に、そこまでして会場に行きたい理由を知りたいとも思った。
会場は、チケットがなければ入れないようだったが、そこは怪獣の特殊能力
(先の戦闘で、ステージから逃げる時に使った力の縮小版)でなんとか切り抜けることができた。
席はもうほとんどうまっており、後ろの方の端辺りしか開いていなかったが、偵察には好都合だった。
そして隣の席を見ると、なんとそこには先ほど見かけたギブスの女性が座ろうとしているではないか!
お互い軽く会釈して席につく。
と、その時・・・・バランスを崩した女性がバッグを落とした。
中に入っていたカメラや、財布、コンパクトなどがばらばらと落ちる。
07は拾うのを手伝った、が、落ちた物の中に奇妙な物を発見した。
腕時計のようなブレスレットのような物である。見たことも無い形をしていた。
女性「あ、これ子供のおもちゃで・・出戦隊ものの・・・どうもありがとう。」
女性は、風邪をひいているのだろうか、しわがれた声で言った。
07「???そうですか・・・。」
何かその物体からは何かえたいの知れない力を感じたが、任務と関係ないので放っておいた。
そして、「皆さんこんにちは〜〜〜〜!」
司会のお姉さんが登場し、ショーの幕が上がった!!!

「2003.10.17更新」

「使命続きの続き」

ショーがはじまり、ハイテンションな司会のお姉さんが、ショーの間の注意事項を話す。
そして司会「今日はムサシ隊員が来てくれてますよぉぉぉ!!!元気な声で呼んで見ましょうぅぅぅぅ!!!!
ムサーーーーーーーシたーいいーーんんんんんん!!!」
お客さん「ムーーーーーーーーーサーーーーーーーシーーーーーーーー!!!!」
♪〜♪コスモース〜強くなれるイツオーラーイ♪〜♪
コスモスの主題歌と共にムサシ隊員が姿を現した。 ムサシ隊員「皆さんこんにちはーー!」
お客さんが歓声をあげる中、隣に座っていた女性が絶叫した!
女性「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
07「!?どうしたんですかっ?」
女性「デジカメ・・・デジカメがうつらないぃいいいいいいいいいいいいい!!!
ちゃんと充電してきたはずなのに!!なんで!」
どうやらさっきの衝撃でデジカメが壊れたらしかった。
女性「いやっ!そんな!嘘よ!!これは夢なのよー!!あたし信じない!」
07「そんなバカな。しっかり!お気を確かに!」
女性はがくりと肩を落とし、そのまま動かなくなってしまった・・・・。
07「(それくらいの事で、大げさな。)」07は思った。
すると、うなだれていた女性が、急にびくっと肩をふるわせる。
女性「(ボソボソ)・・・・のこと?」 07「はい?」
女性「それくらいの事だあぁっ!?」女性の目がかっと見開かれた。
07「ひっ!?(口にだしてないのに、なぜ!?)」
女性「あんた、私がいったいここに来るまでにどれくらい苦労してると思ってんのよっ!?」
07「だから何も言って無いのに!」
女性「家事と仕事両立させながら必死に時間作ってるのにぃぃぃぃぃぃぃ!!!(号泣)」 ついには泣き出してしまった。
07「足の怪我の事は関係ないんだ・・・・(た・・・たくましい)。」
周囲のお客さんが、迷惑&心配そうな顔をしてこちらを見ている。
会場の係員らしき人がこちらを見てなにやら相談している。 07「やば・・・。」
会場はあまり広くない場所だったので、ムサシ隊員の杉浦さんも、すぐにその異変に気づいた。
ムサシ隊員「後ろの席の方、大丈夫ですかー?」
ムサシ隊員の優しい呼びかけに、素早く反応する女性。 女性「はいっ大丈夫です!」
女性は元気な顔で立ち上がった。・・・そして倒れた。
(骨が折れているので当たり前である。)どこをどう見ても大丈夫ではなかった。
係員の人が近づいてきて、女性を連れて行く。
知らんぷりを決め込んだ07だったが、
自分の足元に女性の物と思われる化粧品が転がっているのを見つけ、あわてて係員達を追いかけた。

「2003.11.07更新」



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「使命続きの続きのそのまた続き」

係員によって、医務室のような場所に連れて行かれた女性と宇宙怪獣の二人は、
医務室の様な部屋に連れて行かれ、女性の方はそこで休む事となった。
そしてショーに戻ろうとしたその時だった!! 07「これは!!!」
近くで宇宙怪獣の反応がする!!しかし自分とは違い、かなり凶悪なもののようである。
07達宇宙怪獣にはそれぞれ階級があり、上位になればなる程、危険で、大きな任務をまかせられるようになる。
07は上位宇宙怪獣の任務が円滑に行われるようにする仕事、いわば雑用係りであった。
凶悪な宇宙怪獣というのは、宇宙政府に所属せず、自分達の利益のみを追求し、悪さをする連中の事である。
そういう凶悪な宇宙怪獣は、上位の宇宙怪獣によって、地球に入る前に捕獲されるのが普通なのだが・・・・。
07「なぜこんな所に・・・?」
反応が強くなってくる・・・。会場のどこかにいるようだ。
「キャァアアアアアアアアアアアア!!」
会場内から悲鳴が聞こえた。しかもショーの客席からのようだ。
07は急いで客席に向かった。
するとお客さんをはじめ、係員やスーツアクター(ムサシ隊員は今は奥にいるようだ。)まで、
人間全員が気を失って倒れているではないか!!!
ステージ場では真っ黒い姿をした奇妙な宇宙怪獣がうごめいている。
全身は触手で覆われてており、赤くて丸い大きな目が二つ、触手の間からのぞいていた。
07「おえっ。」 凶悪怪獣「!?マダニンゲンガイタカ!」 凶悪怪獣が触手をのばす。
凶悪怪獣「オマエノエネルギーモモラウゾ!!」 07「げっ!!」
とっさに液体化して逃げようとしたが、敵の触手から出た怪光線により動けなくなってしまった。
凶悪怪獣「!!オマエニンゲンデハナイナ?ナラバヨウハナイ。」
07「なにぃ!!」 (なんだこの展開は・・・。)
路地裏に置いてきたもう一方の体を呼び戻そうと意識を集中するが・・・。
凶悪怪獣「シネ!」 敵の目が強く光った・・・・・!!


「2004.02.01更新」

「使命続きの続きのそのまた続きのそのまた・・・すみません」

突如現れた宇宙怪獣に怪光線を浴びせられた07。
07「?」
しかし体はなんともなかった。苦しんでいるのは光線を放った怪獣本人であった。
凶悪怪獣「オェエエエエ!マズッッッッッッ!」
どうやらエネルギーが凶悪怪獣の体に合わなかったようである。
なんだか良くわからないが深く傷ついた07。
07「!!」
凶悪怪獣はマズいエネルギーを吸収させられ、怒り狂う。
今度は緑色の光線を放ってきた。
ビカァアアッ!!
光線をよける間もなく数秒後、07は強い熱により蒸発し、その姿はその場所から完全に消え去ってしまった。
何か通信装置のようなもので、何者かと連絡をとる凶悪怪獣。
凶悪怪獣「ハッ!!スベテジュンチョウデゴザイマス!」
地球の中で確実に、何かが起ころうとしていた・・・。
所変わって美形ヒーロー対策本部中央司令部。
数体の怪獣が集められて会議が行われているようだ。
指令「皆も知っている通り、第一部隊は消滅した。」
そして怪獣の一人が叫ぶ。
怪獣A「部隊って一人じゃん!」
怪獣Aはすぐに、隣に座っていた怪獣BとCに押さえつけられた。
指令「というわけで、お前が地球へ向かい、第一部隊消滅の原因とコスモス偵察をしてまいれっ!」
怪獣A「えっ!んなアホな・・・。」
他の怪獣たちは自分にその役が回って来ないと知り、ほっと胸をなでおろす。
そして怪獣Aがワープゾーンに向かう途中、突然Aの後ろで何か大きな物音が鳴り響いた!
Aが振り返った時、そこには見慣れない三体の宇宙人と、倒れて動かない仲間達の姿があった・・・。


つづく









 画/坂上ナオト 「ウルトラマンコスモスフューチャーモード」

優しさと強さと勇気そして希望が渾然一体となった希望の巨人

           無断転写を禁じます。第二次著作権承認済

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