2004年12月22日（水）〜26（日）　　東京芸術劇場小ホール1（池袋）
ジュリエット　恋するために生まれてきた女たちへ
脚　　本 中島　淳彦
演　　出 鈴木　完一郎
出　　演 山野　海／杉浦　太雄／櫻井　久直／並川　倖大／五十嵐　めぐみ／湯浅　実

舞台は、長瀬京子が収容されている医療刑務所の独房。

セットが変わることなく、暗転とライティングが効果的に使われ、瞬時に役を演じ分ける役者達の演技によって、その場は京子の回想シーンとなり、また、京子がジュリエットとなる幻想の世界へと変わる。

そして、現実と回想と幻想の間を幾度となく行き来しつつ、事件の真相が明らかになり、京子の閉ざした心の中にある愛に飢えた深い哀しみが溢れ出す・・・・。

《キャスト紹介》
山野　海・・・長瀬京子 ジュリエット

杉浦太雄・・・内海たけし ロミオ

五十嵐めぐみ・・・女看守《時折興奮し錯乱する京子を気遣いつつも、冷静に仕事を遂行する》
ジュリエットの乳母
京子の母親《京子に愛情をそそぐことなく、面会にも１度も訪れない》

湯浅　実・・・大友弁護士
牧師《ジュリエットとロミオの恋を成就させようと力を貸す》

桜井久直・・・医師《医療刑務所での仕事が不本意で、京子に対しても心無い言動をとる》
ジュリエットの父親

並川倖大・・・囚人《仮出所間近で、食事の配給をしている。京子を罵倒し続けていたが、少しずつ京子と言葉を交わすようになる》
ロミオの友人
たけしの友人

京子は、内海たけしとその友人の男を毒殺した罪で収監され、数年間医療刑務所にいる。
出される食事を黙々と食し、精神安定剤を服用し眠る日々。
ベッドの脇には『ロミオとジュリエット』の本が置かれていた。

弁護士の大友は、罪を全て認めてしまった京子を解せないでいた。
青酸カリの入ったコーヒーを、気付かぬまま致死量飲んでしまうことなどあり得ない。すぐに気付いて吐き出してしまうはずだ。 かといって、女１人で男相手に無理やり飲み込ませるのは容易なことではない。

大友は、何度も京子との面会に足を運ぶ。

青酸カリの入手方法は？殺害の動機は？殺害時の状況は？
京子の答えは、どれも大友を納得させることの出来ない、つじつまの合わないことばかり。
問い詰める大友に対し、京子は興奮し大友を拒絶する。
『私を放っておいて！！』
かけつけた医師に安定剤を射たれ、眠りにつく京子。

夢の中で京子は、美しく、誰からも愛されるジュリエットとなる。そしてロミオと運命的な恋に落ちる。幸せそうな２人。
『おお、ロミオ・・・・』
ジュリエットが見つめるロミオの表情が変貌し、かん高い笑い声を発した。
『おれだよ、内海たけしだよ！！』

たけしは、金融機関の窓口で働く京子に、優しく声をかけ近付いてきた。うまく言い寄り、小遣いをせびるためだ。
京子は、自分が金づるなのだと理解しつつも嬉しかった。
容姿に恵まれず、なんの取柄もなく、親に愛された記憶すらない。
『自分を愛してくれる人なんて、誰ひとりいない・・・』
そう思って生きてきた京子は、たけしの偽りの優しさや笑顔をも信じたかった。
ほんのわずかでも、自分が愛されている、必要とされていると思いたかったのだ。

勤務先で横領をしてまで多額の金を渡そうとする京子に臆したたけしは、小遣い欲しさに近付いただけなのだと告げ、京子が差し出す金を拒否し、去ろうとする。
それでも京子は泣きながら懇願する。
『お願い！！受け取って、受け取って、受け取って、受け取って・・・・・・・・』
そんな惨めな京子の姿に、腹立たしさをあらわにしつつも金を受け取るたけし。
その後も京子から金を受け取り続けるが、優しい態度をとるでもなく、京子に罵声を浴びせかけたり、暴力を振るうこともあった。
しかし、京子の中に母親の姿や自分と同じ愚かさを見て、愛情とも同情ともつかぬ思いで京子を抱きしめることもあった・・・。

まっとうな生き方の出来ないたけしは、友人から強請りを受けるようになる。
追い詰められたたけしは、勤め先の工場から青酸カリを盗み出し、京子の部屋でその男に力ずくで青酸カリ入りのコーヒーを飲ませ殺害。
しかし、自分がしてしまったことに怯えおののき、激しく動揺する。
『すべて終わりだ・・・・・』
自ら同じコーヒーを飲み、自殺する。

２人の男の死体を前に呆然としている京子のところへ、ずっと音信不通で訪れるはずのない母親が現れた。
そして、男達の死体を見てこう言った。
『あんたもやっちまったのかい。あたしも昔、亭主を同じめにあわせたのさ！』

他の房からよく聞こえてきていた子守唄が途絶えたままだった。
『唄って・・・・・ねぇ、唄ってよ！！』

京子の叫びに、医師が顔色ひとつ変えずに答えた。
『あの患者はもう死んだよ。』

大友弁護士は言う。
『君は殺しちゃいない、狂ってもいない。真実を話し、ここから出て社会に戻るんだ。君はまだ若い、いくらでもやり直すことが出来る。』
その言葉が京子の心を動かすはずもない。
『戻ってどうするの？私を待っていてくれる人はいるの？愛してくれる人はいるの？』
『どうかもう、私を放っておいて・・・・・・！』

そしてまた眠りにつく・・・・。
美しいドレスをまとったジュリエット(京子)は、自分を心から愛してくれるロミオ(たけし)と共に、幸せそうな笑みを浮かべ踊り続ける。いつまでも・・・・・。

ジュリエット〜恋するために生まれてきた女たちへ〜」初舞台公演に多数の応援メッセをお寄せいただきまして誠にありがとうございました。
舞台初日公演終了後応援メッセをお渡ししいたしました状況を関係者の方からご案内いただけましたのでご紹介申し上げます。

舞台の終了後の杉浦太雄くんは、着替えてかおのドーランもすっかり落として、すっぴんでした。
そのおかおも綺麗でした。すっきり、さわやかな良いおかおでした。

関係者「すごく良かったですよー。いかがでしたか？」
太雄くん「始めはそうでもなかったけど舞台が始まるころになったら、すごく緊張してきました」

関係者「声なんか、全然声質が違いますね ! デビュー当時から拝見していますが、すごく良かった〜」
太雄くん嬉しそうに「ありがとうございます。」
五十嵐めぐみさん「太雄くんの役『ロミオ：内海たけし役』はすごく重要な役なのよね、初舞台とは思えないほどよ」
太雄くん「ボク、それすらもなにもわからず、やってましたー」と照れていらっしゃいました。

皆さんから集った応援メッセファイルを手渡しました。
「観にこられない全国の太雄くんのファンのメッセージが書かれています」
太雄くん「ありがとうございます。」と嬉しそうに受取っていただけました。
太雄くんにっこりして「また観にきてください ! 」

そのあとちょっと離れた所でたまたまひとりで立っていらしたので、杉浦太陽くんに「太雄くんどうでしたか？」と質問。

太陽くん、嬉しそうに太雄くんの居る方向を見ながら、にこにこと「いや〜オレもうかうかしてられないなあ」
「太雄くんはライバル？」とお聞しますと「いや、そういうわけじゃないけど」と弟の目覚ましい成長ぶりに目を細めているようでした。太陽くんも喜びをかみしめていたのだと思います。兄弟愛ですね〜!





12月24日（金）は夜７時の１回公演でした。
クリスマスイブということもあり、ご本人のご希望のものをということで「真の勇者」サイトの有志の皆さんのからの差し入れを持って「ジュリエット」公演にご出演されている杉浦太雄くんの所まで、劇場を訪れました。
イルミネーションが夕闇にまばゆく光り始めた夕方５時１５分。

舞台袖の廊下に置かれたテーブルには、舞台オープニングでロミオ太雄くんが付ける青いラメで出来た仮 面などの小道具が置いてありました。

共演の五十嵐めぐみさんはすでに楽屋入りされていて、楽屋から出てこられて「太雄くん、まだ来ていないのよ」とのこと。
楽屋は男性の役者さんと女性の役者さんと２つに分かれていて、男性の役者さんの楽屋の方は医師とジュリエットの父の二役をなさっている桜井久直さんがひとり一番に楽屋入りされていました。
壁面の大きいミラーの中央には杉浦太雄くんの名前、そして左右に他の役者さんの名前の書かれた名札が貼ってありました。
お待ちしてると、主演のジュリエット役の山野海さんの姿が見えました。さすが主役、貫禄があります。

スタッフの女性がEx.Boldと書かれたウチワ。その裏にはデビューした頃の太陽くん・太雄くんの写真入りのを を何本も持ち、山野さんや五十嵐さんらに配っていました。女性陣、にこにこして受取っておられましたよ。

６時、太雄くんが現れました。連れのスタッフの方とおしゃべりしながら、なんだかリラックスした様子。
差し入れご希望のシュークリームを差し出しますと、太雄くんうれしそうな顔をされながらも「すみません。催促しちゃったみたいで…」と恐縮した様子。 もうひとつは銘菓『マキシ○』の洋菓子セットをお渡ししました。

「公演を見に来られないファンの代理で差し入れです。」と言いますと、太雄くんニッコリ「ありがとうございます ! 」


このステージとても心地よい摩訶不思議な時空間に、誘われました。

関係者のみなさま遠くで応援していますファンの気持ちを快く受け取っていただけてありがとうございました。